大学卒業に必要な単位をおおかた取り終えたら、次に待ち受けるのは就職活動です。
この就職活動において欠かすことのできない「自己PR」は、具体的にどのように、何を書くのが正解なのかと悩んでしまうもの。
特に長所と短所をいざ聞かれると、
「自分の短所ならいくつも出てくるが、長所はわからない・・・」
「そもそもなんで長所と短所を企業は知りたいのか?」
と考える方も多いのではないでしょうか?
就活生は自己PRにおける長所と短所を難しく捉えがちですが、聞かれる意図やコツをつかめば自己PRも実はそこまで難しくありません。
そこで、この記事の前半では新卒就活生に向けた就職活動時の自己PRで長所と短所がなぜ聞かれるのか、後半では例文もいくつかご紹介しますので、新卒就活生の方はぜひ参考にしてみてください。
なぜ自己PRで長所と短所を聞かれるのか?
自己PRの際に、長所と短所を聞く意図は大きく分けて3つあります。
自己PRで長所・短所を聞く意図①:人物像を知るため
まず、自己PRで企業が新卒就活生の長所や短所をなぜ聞くのかというと、入社した後にその企業で活躍できる人材かどうかを見るためです。
正社員としての仕事の経験やスキルのない新卒採用の場合、社会人経験のある中途採用者のように、今までの実績から企業にとって必要な人材かどうかを判断することは難しいのです。
そこで、自己PR時の長所と短所から今までどういったことを経験し何を身に付けてきたのかを聞き出し、仕事をするうえで活かせるかを判断しています。
また、新卒就活生がその企業の雰囲気や募集職種に合っているかも長所や短所から判断をしています。
いくら優秀な人材であっても企業の雰囲気と合っていなければ早期退職の恐れがあるため、企業が求める人材に合った自己PRにすることで採用担当者も入社後のイメージを描くことができ、互いにミスマッチを防ぐことができます。
自己PRで長所・短所を聞く意図②:客観的に自己分析できるか知るため
自己PRで長所と短所を聞く理由2つ目は、客観的に自分自身を分析できているかを知るためです。
自分自身を分析し、長所と短所を説明できるということは仕事をするうえでとても重要になります。
自分の長所を知っていれば仕事において自分の活躍の場や能力を発揮できるポイントが分かり、短所を知っていればそれを乗り越えるために何をしたら良いか考え行動することができるでしょう。
また、仕事は一人でできるものではないので、互いの短所を互いの長所によって補い合うこともできます。
自己PRで長所・短所を聞く意図③:短所を克服しようとする姿勢を見ている
自己PRで長所と短所を聞く理由3つ目は、自分の短所を知ったうえでどのように向き合い改善しようと努めているかを知るためです。
短所というとマイナスなイメージですが、短所が無いという人は居ません!
企業側はその短所の「内容」ではなくあなたの乗り越え方、取り組む姿勢はどうなのか?を重視しています。
仕事であなたの短所がマイナスに働いてしまう場合は良くありませんが、短所としっかり向き合える人ならば、突如として起こる困難にも自分自身で解決策を考え、前向きに行動することができます。
その為、採用担当者は新卒就活生がどのように自分自身と向き合って改善するために努力しているかを知りたいのです。
長所と短所は真逆に見えて実は同じ
自分の長所や短所を分けて考える方がいますが、“長所と短所は表裏一体”と言われるだけあって同じもので考えた方が簡単なのです。
「短所はたくさん見つかるけど長所が全く分からない」という方は、実は短所の数だけ長所もあると思っておいてください。
【例1】せっかちである・・・・・時間にルーズでなく素早い行動力がある
【例2】頑固な性格である・・・・負けず嫌いで最後まで諦めずにやり遂げることができる
ただ、同じとは言っても短所で「負けず嫌いすぎる」や「好奇心旺盛すぎる」など明らかに長所ととられてしまう言い方は採用担当者から良い印象を持ってもらえないので避けましょう。
<面接で使える『長所』の伝え方>
自己PRで長所と短所を聞かれる理由がわかったところで、ここからは長所を上手に伝えられる例文をいくつか紹介していきます。
【長所】回答例文:コミュニケーション能力が高い
幼少期から人見知りをせずに老若男女問わず人と接することが好きだったので、新しい人脈が広げられる場にも進んで足を運んでいました。
多くの人と関わることによって自分にはない他人の良いところを吸収することができるので、学生時代はサークルやボランティア活動で様々な人と自分から関わっていくことを大切にしていました。
仕事をするうえでも人と関わる機会はこれからもっと増えると思うので、持ち前のコミュニケーション能力を活かして一緒に働くことになる同僚や先輩方と信頼関係を築き上げる努力をしていきます。』
【長所】回答例文:相手のニーズを読み取る力
私は4年間アパレルのアルバイトで販売スタッフをしていました。
そこではたくさんのお客様とお話をして接客をする機会が多く、会話からお客様のタイプを読み取って似合いそうな商品や好みそうな商品を提案することを意識していました。
また、雰囲気を読み取りお声がけするかも慎重に判断していました。
そのため、個人売り上げはアルバイトの中で常に1番で新人アルバイトの教育係も任されていました。
御社(貴社)でもこの相手のニーズを読み取る力を活かして、売り上げに貢献していきたいと考えています。』
【長所】回答例文:向上心がある
学生時代は実験実習やレポート作成に日々追われながら、資格取得のために勉強も行っていました。
挑戦する前から諦めるということが、私は好きではありません。
時間を見つけては資格取得に向けて勉強をし、わからない点は徹底的に反復しました。
その結果、合格率が低い資格を取得することができたのです。その達成感は一入でした。
さらに、この努力が認められ、学科内で表彰していただいたこともあります。
この経験を活かしながらも現状の自分に満足せず、御社(貴社)でも新しいことにチャレンジしていきたいです。』
<面接で使える『短所』の伝え方>
続いて、伝えることが難しい短所の例文を簡単に紹介します。
【短所】回答例文:我が強い・頑固である
しかし、自分ひとりで解決できない問題が起きた際に、自分以外の人の意見を聞いて話し合うことの大切さに気が付いてからは、相手の話やそのような考えに至った理由までしっかり聞き考えるように努めています。』
【短所】回答例文:心配性である
何か新しいことに取り組む際は、本当にこれでいいのかと何回も確認をしないと安心することができません。
そのためミスは少ないのですが、瞬発力に欠けると感じる瞬間が何度もありました。
なので、現在は素早く行動できるよう、自分自身を信じて挑戦するというように意識を変えて取り組んでいこうと心がけています。』
【短所】回答例文:大勢の人の前での緊張してしまう
学生の間は部活動で吹奏楽部に所属していたのですが、ソロで演奏する場面があると、当日は極度に緊張することがありました。
しかし、緊張はするものの本番には強いタイプのため、ミスをしたことはほとんどありません。
そのため、現在はあまり意識をし過ぎず何事も自信を持って行うようにしています。』
自己PRは自分の長所と短所を理解することが鍵となる
自己PRで聞かれることは、長所と短所だけではありません。自分のアピールポイント、それを働く上でどのように活かせるのか…その他にも色々な事を聞かれます。
ただ、長所と短所をしっかりと把握しておけば、自分の今までやってきたことや志望動機と自身のアピールポイントを繋げて、説得力のある内容で面接で伝えることができます。
自己分析をしっかりしておかないと、面接官に「言っている事がはちゃめちゃだぞ…」と思われてしまう事も。
例えば、長所が「コミュニケーション力」に対して短所が「人見知り」だと、長所と短所が矛盾してしまっていますよね。
このように内容がぶれてしまうと、せっかく考えたアピールも水の泡になってしまいます。
一貫性のあるアピールをする為にも、しっかりと自己分析をして、自己PRのための長所と短所を把握することが、面接突破の鍵となるのです。
【まとめ】自己PRで長所と短所を聞かれる理由とは?
今回は、自己PRで長所と短所を聞かれる理由について紹介いたしました。
先程も触れた通り、就職活動をする際は自己分析をしっかり行って自分の長所と短所を客観的に知っておくことが大切です。
とはいえ、就職活動開始と同時に自己分析も始めるとなると、最初のうちは自己分析不足で自分の長所や短所を知りアピールできるまでに到達するのは難しいでしょう。
焦らず落ち着いた転職活動が行えるよう、自分の得意なことや苦手なことが何なのか普段から意識して生活することで、自己PRを作成する時間に手間を取られることも少なくなるのだと思います。
評判DBでは質の高い企業の情報を揃え、あなたの転職活動が成功するようこれからもサポートを続けて参ります。