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転職エージェントの裏事情とは?無料の仕組みやメリットとデメリットを紹介

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2020.03.27

就活・転職をされる際にエージェントを利用した、もしくは利用しようと思ったことはありませんか?
転職エージェントは自分の希望に合った求人を紹介してくれたり、企業との面接日程の調整や給与の交渉を“無料で”してくれるので、就職・転職活動をする人にとっては非常に便利なサービスです。
しかし、考えてみてください。なぜ、こんなに便利なサービスを“無料で”利用できるのでしょうか?世の中、無料の裏にはなにかが隠れているものです。

今回はそんな転職エージェントの裏事情や転職サイトとの違い、求人紹介の仕組みやメリットデメリットについて書いてみました。
これから転職エージェントを利用しようかなと思っている方、すでに転職エージェントを利用されている方に是非読んでいただきたいと思います。

転職エージェントと転職サイトの違い

転職エージェントの裏事情を公開する前に、「転職エージェント」と「転職サイト」と違いについて比べてみましょう。

転職エージェント(人材紹介) 転職サイト(求人サイト)
利用時 料金 無料 無料
求人数 求人サイトには掲載されていない非公開求人がある。 サイト上に掲載されている公開求人のみ。自分で条件を入力して調べる。
キャリアアドバイザー 担当者が1名つく。 なし
カウンセリング 担当アドバイザーが要望をヒアリングしてくれる。 なし
求人紹介 担当アドバイザーから要望にあった求人を紹介してくれる。 なし
自分で探すしかない。
応募時 応募方法 担当アドバイザーを通じて行う 自分でサイト上にて行う
面接日程調整 担当アドバイザーを通じて行う 自分で行う
面接 合否連絡 担当アドバイザーから連絡がくる 直接企業担当者から連絡がくる
内定 条件交渉 担当アドバイザーを通じて行う 自分で行う

転職エージェントと転職サイトの違いはいかがでしたか?

上記の表のように、転職サイトはWEB求人サイトを通じて自らで求人を探し、応募から面接までを進めていく転職サービスのことを表します。
従って、転職サイトを利用する際は希望の求人を見つけるところから応募・面接設定まで、すべてを自分で行わなければなりません。
ただ、さまざまな業界・業種の求人情報が掲載されているので1社1社しっかり比較・検討したうえで応募ができるのは安心ですよね。

一方、転職エージェントを利用すると、最初のカウンセリング時に希望条件を伝えれば、定期的にその条件にあった求人を紹介してくれます。その中で応募するか否かを決めればいいので、転職サイトとは違い基本受け身でいればいいので楽です。

通常の転職サイトで応募した際にはだいたい書類選考がありますが、転職エージェントからの紹介案件は基本書類選考を通過したうえで紹介してくれているので、書類選考期間を短縮することもできます。

内定時の条件交渉(例えば給与をもう少し上げてほしいなど)も直接だと言いにくいものですが、転職エージェントを通せばそこらへんもうまく交渉してくれます。

こんな良いことずくめに見える転職エージェントですが、求職者にとってデメリットはあるのでしょうか?それでは、転職エージェントが儲かる仕組み”裏事情”を紐解いていきましょう。

転職エージェントの裏事情って?儲かる仕組みについて

転職エージェントとは、つまり人材紹介会社のことをいいますが、ここ最近の人材不足を背景に、人材紹介会社の事業者数は年々増加しています。

人材紹介会社は求職者を企業に紹介し、その紹介手数料で成り立っています。
求職者が無料で利用できる代わりに、企業側からお金をもらっているのです。
紹介手数料は年収の約35%と言われており、例えば年収300万円の求職者を紹介した場合、105万円が儲かるという事になります。

ですので裏事情として、キャリアアドバイザーが土日を惜しまず、親身になって相談に乗ってくれるのも、最終的には会社の売上、そして自分の売上成績のためといっても過言ではありません。
※転職エージェントのキャリアアドバイザーは毎月自身の売上目標(ノルマ)が設けられていることが多いです。

以前は転職エージェントが主流でしたが、最近では新卒向けのエージェントも誕生しており、ますます人材紹介会社を利用して仕事を探す人が増えるでしょう。

企業はなぜ転職エージェントで人材を募集するのか~裏事情を紐解く~


求職者が無料で利用できる代わりに、企業側が手数料を支払っているという事はわかりました。では、なぜ企業は転職サイトに掲載するのではなく、転職エージェントを利用して求人を募集するのでしょうか。

裏事情を紐解いていきましょう。

リクナビやマイナビといっ転職サイトへの掲載料は1回あたり約20~40万円です。
1回の掲載で1~2名採用ができますので、手数料100万円を払うよりもはるかに安く採用が出来るのです。

それでも人材紹介会社(転職エージェント)が成り立つのはなぜでしょうか。

それは、「求人広告を出しても応募が来ない、あるいは少ない」「応募は来るけどいい人がいない」という企業が多いからです。

ということは、裏を返せば「人気のない企業が転職エージェントを使う傾向にある」と言えます。

安い金額で求人広告を出して十分な人材を確保できれば、わざわざ高いお金を払って紹介業者(転職エージェント)に人を紹介してもらう必要はないのです。
高いお金を払ってでも人が欲しいということは、それだけ人材不足で困っているのです。

※それ以外で人材紹介会社(転職エージェント)を使う理由として考えられるのは、希少なポスト(役員、顧問、特殊な研究員・仕事など)を採用したい場合などです。

転職エージェントの裏事情~紹介される企業は本当におすすめ企業かどうかはわからない~

人材紹介会社(転職エージェント)は企業からの紹介料で成り立っており、通常、紹介手数料は年収の35%とお話ししました。しかし、どうしても人材が欲しい企業の場合、紹介手数料を40%、45%…と高くする傾向にあります。

人材紹介会社(転職エージェント)の立場からすると、お金を払ってくれる企業に求職者を紹介するほど儲けられるのですから、ちょっと嘘をついてでも「あなたにぴったりの条件の会社が見つかりました!」とおすすめするでしょう。
つまり、人材紹介会社からの求人は非公開とは言いつつも、会社都合によって選ばれており、決してその人にとって最適な求人であるとは限らないのです。

求人を紹介してもらえないこともある?転職エージェントの裏事情とは

転職エージェントに登録後は、すぐに求人を紹介してもらえると思うかもしれませんが、転職エージェント側から見て、今は紹介できる案件が無いと判断された場合はすぐには紹介してもらえないこともあるそうです。

理由としては、企業が欲しがっている経験やスキルを満たしていなかったり、前職を短期間で退職している、ブランク期間が長いなど、企業側のニーズと合っていない場合があげられます。
また、求職者との面談で話を聞いた上で、「この人は今、転職をするべきではない」と判断した場合に、求人を紹介されない場合があります。
例えば、転職理由が職場の環境のせいだけの人は、面接等でかなり不利になりますよね。その場しのぎの転職は、また同じ状況になって転職をする…となるリスクが高いです。
求職者の話を聞いた上で、その人に合ったアドバイスをするのも、転職エージェントの仕事なんですね。

転職エージェントのノルマ達成の裏事情


転職エージェントは、いわば営業職なので、もちろん達成するべきノルマがあります。
実際、ノルマ達成のために強引に企業を紹介してきたり、転職をせかしてくるエージェントもいるでしょう。
以下のような対応をされたら、少し注意が必要かもしれません。

  • 頻繁に連絡をしてきて転職をせかす
  • 希望条件に沿わない求人を紹介してくる
  • 紹介件数が不自然に多い
  • 内定承諾の期限が極端に短い

転職エージェントはノルマ達成しなければならないという裏事情を理解した上で、強引な紹介などに流されないように気を付けましょう。
もちろん、求職者のことをしっかりと考えて提案してくれるエージェントも多くいますし、全てのエージェントがノルマ達成のために強引な手段を取ってくるわけではありませんが、「このエージェントは合わないな…」と感じたら、エージェントを変えたり、会社を変えるなどの対応をすることも大切です。

また、自分の希望する条件を満たす企業への入社に繋げるために、転職活動に意欲的である事をアピールして転職エージェントのサポートを最大限受けられるよう、裏事情がある状況を利用するのも一つの戦略です。
転職エージェントに頼るからと言って受け身で過ごすのではなく、しっかり利用できるように働きかけましょう。

転職エージェントの裏事情からわかるメリット・デメリットの違い

今までのお話をもとに「求職者」「求人募集企業」の2つの立場から、転職エージェントのメリットとデメリットの違いをまとめました。

メリット デメリット
求職者 条件の交渉を自分でやると面接時に印象が悪くなる可能性があるが、仲介をいれることで自分の印象を崩すことなく、条件交渉をすることができる。 自分にとって都合のいい求人案件ではなく、紹介会社都合を進められる傾向にある
求人募集企業 紹介会社のほうで書類選考や人柄などを把握しているため、一次面接の手間が省ける 多額の紹介料を払っても、入社後期待通りの仕事をしてもらえず、早期退職のリスクがある

転職エージェントの裏事情や転職サイトとの違い、そしてメリット・デメリットを紹介してきました。

決して転職エージェントが紹介する求人が悪い内容ばかりであるというわけではありません。
その一方で、求人の良し悪しではなく、紹介会社の担当者都合で紹介するという面(裏事情)もあるのも事実です。

―例えば、転職エージェントで自身の市場価値やトレンド情報、面接対策のアドバイスを受けながら転職サイトで求人情報を探していくなど、「転職エージェント」と「転職サイト」両方のサービスを併用することでよりスムーズに、効率の良い転職活動を進めることができると私は考えます。

ただし、転職エージェントは会社というよりも“担当者次第”というところがあり、人と人ですから波長が合う合わないがあります。
波長の合わない人にいくら転職活動の相談をしても時間の無駄ですので、「この人とは合わなそうだな…」と思ったらすぐに他の転職エージェントに切り替えてもらってください。

最終的に働く企業を決めるのはあなた自身です。企業担当者と納得いくまでしっかり話し合い、時には実際に働いている人とお会いする機会をいただくというのもいいでしょう。
表に出てくる人の言葉は建前でしかないこともありますので、本音は口コミサイトの評判などをチェックするというのも一つの手です。

転職エージェントと転職サイトの違いを理解し、うまく使いこなしてあなたに合う企業を見つけられるといいですね。

最後になりますが、評判DBでは従業員目線や顧客目線、社会貢献度など複数の指標で比較し検討することができます。ぜひ参考にしてみてください。

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