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ビジネス心理学の法則|相手との信頼関係を構築させるテクニック12選

ビジネス心理学の法則

2021.06.21

心理学の法則を使ったテクニックを知っておくと、ビジネスや人間関係、恋愛など、日常生活のさまざまなシーンで役立ちます。

ここでは、数多くある心理学の法則の中から「営業」や「交渉の席」「マーケティング」などビジネスシーンで活用できるテクニックをご紹介いたします。

コミュニケーションを円滑にさせる|メラビアンの法則

ビジネス心理学の法則#1【メラビアンの法則】

メラビアンの法則とは、相手に与える第一印象が、話し手の身なりや身振り手振りで半分以上決まっているという法則です。

そのパーセンテージは以下の表となります。

概要 影響度
視覚情報 表情、視線、仕草、身なり 55%
聴覚情報 声の大きさ、口調、話すテンポ 38%
言語情報 話の内容、言葉そのものの意味 7%

つまり、プレゼンや商談を行うビジネスにおいて、視覚情報から半分以上の第一印象が決まるというのが人間の心理なのです。
そのため、身だしなみを整えることや、話し方、表情、身振り手振りなどはどのような場面でも意識しておく必要があります。

例えば「このサプリで元気になります!」と言葉でどんなに伝えても、“元気がなさそう、憂鬱そう”という見た目の印象の方が勝ってしまい商品の良さが伝わらないということですね。

自分自身を操り、相手に安心感を与える|セルフマニピュレーション

ビジネス心理学の法則#2【セルフマニピュレーション】

セルフマニピュレーションとは、自分自身を操りコントロールすることで自信に溢れた態度を表出させ、相手に安心感を与えるというテクニックです。

話している内容がどんなに説得力のある内容でも、話し手の声が小さかったり自信がなさそうな表情をしていた場合、「本当に大丈夫かな?」と不信感を抱いてしまいますよね。
しかし、堂々とした態度になるよう自分自身をコントロールして商談を進めることで、相手に安心感を与えることができるのです。

大事なプレゼンや商談においては、緊張からつい声が小さくなり、もごもご話してしまうということもあると思いますが、それでは成果は見込めません。

つまり、「落ち着いて話す」「相手の目をみて話す」「ハキハキ聞き取りやすく話す」「言葉の最後をですます調で締める」「笑顔で穏やかな表情」などを意識して聞き手に自分の自信の高さをアピールすることがセルフマニピュレーションなのです。

オウム返しで相手の話を引き出しやすくする|【バックトラッキング】

ビジネス心理学の法則#3【バックトラッキング】

バックトラッキングは、相手の発言を「オウム返し」することで相槌を打ち、相手に安心感や好感、そして信頼感を与え、話を引き出しやすくするテクニックです。
ただし相手の話した言葉を一字一句真似る必要はありません。

例えば「実は売上が年々減っているんです」と発言された場合「売上が減ってしまっているんですね」と返します。そうすると「そうなんですね」と返すよりも相手は自分の話を肯定してくれていると感じます。

ビジネスシーンにおいても、このバックトラッキングを活用し聞き上手になることで信頼感が築けクライアントとのコミュニケーションも円滑に進むでしょう。

相手の行動を真似て親近感を湧かせる|ミラーリング

ビジネス心理学の法則#4【ミラーリング】

ミラーリングは、相手の行動を真似ることで親近感を抱かせ商談をスムーズに進みやすくするテクニックです。

心理学的に人間は、自分に似ているものに親近感を抱きやすい性質を持っており、これを類似性の法則と呼ぶのですが、ビジネスシーンに組み込むことで相手との信頼関係を築くことができるのです。
ちなみに、これもバックトラッキングと同様に相手の行動を鏡の如く全コピしては“逆効果”になりますので注意が必要です。

例えば“相手が水を飲んだら、自分も水を飲む”というような仕草や身振り手振りを真似したり、喜怒哀楽や視線もミラーリングします。
また、会話のテンポのスピードや声のトーン、話す内容などもそうです。

「YES」と答えると「NO」と答えにくくなる|フット・イン・ザ・ドア

ビジネス心理学の法則#5【フット・イン・ザ・ドア】

フット・イン・ザ・ドアとは、まずは小さなお願いを要求しYESを貰うことができたら、その後もYESを引き出しやすくなるという心理“一貫性の法則”を利用したテクニックです。

その名前の由来は、飛び込み営業でドアに足を入れる仕草からきており“徐々にドアをこじ開けていく(徐々に要求を上げていく)”ことで本来の要求を受け入れてもらうというものです。

例えばスーパーの試食販売の「試食」から「購入」につなげる手法がこれに当てはまります。

ポイントは、小さなお願いから段を追って少しずつお願いを大きくしていくことです。

大きな要求で断らせたうえ、本来の要求を飲んでもらう|ドア・イン・ザ・フェイス

ビジネス心理学の法則#6【ドア・イン・ザ・フェイス】

ドア・イン・ザ・フェイスは、はじめに無理な要求をして断らせたうえで小さくした本来の要求にYESと言わせる人間の心理を利用した交渉テクニックの一種です。
一度断っているという“罪悪感”と、最初より小さな要求に変えてもらったことで“申し訳ない”“お返しをしなければ”という考えから、相手は要求を飲みやすくなるのです。

例えばテレビ通販で“はじめに高い値段を提示して、その後大幅値引きした値段を示す手法”がこれに当てはまります。

ただし、最初の要求があまりにも過大な場合は逆効果で、そもそも相手にしてもらえない可能性もあるため注意してください。

「特別に」という言葉で気分を良くさせ信頼を獲得する|ハード・トゥ・ゲット・テクニック

ビジネス心理学の法則#7【ハード・トゥ・ゲット・テクニック】

ハード・トゥ・ゲット・テクニックは、「あなたは特別な存在だから」「あなただけに」という言葉を用いることで相手の自己重要感を刺激、承認欲求を満たし好意や信頼を獲得するテクニックです。

ビジネステクニックとして「御社には特別に対応させていただきます」「○○様なら特別に〇〇します」「〇〇様だけに伝えます」などの営業トークにはもちろん、会員限定サービスやプレミアム会員にランクアップなどもこの手法を利用しています。

メリット・デメリットを伝えることで信頼を獲得する|両面提示

ビジネス心理学の法則#8【両面提示】

両面提示とは、商品やサービスのメリットだけでなくデメリット(リスク)も伝えることで、相手に信頼されやすくなるビジネステクニックです。

営業は基本、売り込みをしたいのでメリット面ばかりを強調してしまいがちですが、そこであえてデメリットを付け加えてプレゼンすることで営業マンや商品、サービスに信頼感が生まれ結果的に成果につながりやすくなるというものです。

その割合は[メリット8:デメリット2]ぐらいが良いとされています。

また、営業マンだけでなくアパレルスタッフや家電量販店のスタッフにも活用できる心理学の法則(テクニック)です。

多数の人に支持されている事に魅力を感じ賛同を得やすくする|バンドワゴン効果

ビジネス心理学の法則#9【バンドワゴン効果】

バンドワゴン効果は、世間の流行りや評判を判断材料にするという行動心理学における効果です。
つまり“大勢の人が支持している”“流行っている”と伝えることで賛同を得やすくするテクニックです。

例えば「人気No.1商品」「300万人が愛用する商品」といったように、大勢の人がその商品やサービスを利用しているということをアピールすれば「そんなに注目されていて人気ならうちも試してみようかな」というバンドワゴン効果を生み、商品やサービスに対する需要を高めることができます。

ちなみに、このバンドワゴン効果とは真逆の法則で“みんながやっていることはやらない”「スノッブ効果」という行動心理学もありますが、これは相手の嗜好性によるものなので、営業マンは状況によって使い分ける必要があるといえます。

相手の心に刺さるようなことを伝え、興味を引く|バーナム効果

ビジネス心理学の法則#10【バーナム効果】

バーナム効果は、占いや性格診断などでよく活用される心理学の法則で、誰にも当てはまるような事なのに自分だけに当てはまっていると錯覚させる心理作用があります。

例えば「企業のセキュリティ管理は大変ですよね?」「最近疲れていませんか?」などのキャッチフレーズなどです。誰でも疲れは感じるものですが、相手は自分にだけ当てはまっていると錯覚してしまうのです。

バーナム効果には相手との信頼感を築け、成果につながりやすくなります。

ビジネスシーンにおいて、「それまさにうちの会社のことだ!」と思わせた後にサービスの説明をすれば、ただサービスの説明をはじめるよりも安心感や信頼感が生まれ話を聞いてもらいやすくなり、成果にも繋がるでしょう。

「YES・NO」2択では答えられない質問|オープンクエスチョン

ビジネス心理学の法則#11【オープンクエスチョン】

オープンクエスチョンとは、「YES」「NO」などの2択で答えられない質問を行い、相手が答える範囲に縛りを設けないことで相手の深層心理や本音を引き出すテクニックです。
これはビジネスシーンでよく取り入れられており、上司や部下など、社内のコミュニケーションでも使えるテクニックです。

例えば「御社の悩みは○○ではないですか?」ですと「はい/いいえ」というような淡白な回答が返ってきますが、「御社の悩みはなんですか?」と質問することで情報を引き出すことができます。

オープンクエスチョンでは、5W1H(いつ、どこ、だれ、なに、なぜ、どうやって)を含んだ質問を心がけましょう。

「YES・NO」2択で答えられる質問|クローズドクエスチョン

ビジネス心理学の法則#12【クローズドクエスチョン】

クローズドクエスチョンは、「オープンクエスチョン」とは反対に「YES」「NO」などの2択で答えられる質問を相手に投げかけることで、相手の考えや意志を明確にしたい時に用いるテクニックです。

例えば「弊社の新サービスはAとBどちらが魅力的ですか?」という質問に対しAかBで答えてくれるので、営業の際に商談が成立しやすくなります。

ただし、質問を重ねすぎてしまうと尋問のように息苦しくなってしまうので多用するのはやめましょう。

ビジネス心理学の法則を使う際に注意すべきこと

ビジネス心理学の法則にはさまざまな種類とテクニックがあり、ビジネスシーンに組み込むことでプレゼンや商談を有利に進めることができるメリットがありますが、応用の仕方を間違えると相手の信用を無くしてしまう可能性があるので注意が必要です。

心理学のテクニックだと知られると逆効果を生む

ビジネス心理学の法則を応用する際に注意しておきたいこと1つ目は、そのテクニックを活用していることが相手に悟られてしまうと、信用どころか悪い印象を与えてしまうということです。

そのため、一つひとつの法則をしっかりと理解し、相手に悟られないようさりげなく活用していきましょう。
また、友人や家族との日常的な会話の中で繰り返し練習し習得していくことで、無意識にテクニックが使えるようになるので日頃から意識してみてください。

心理学ばかり気になり、相手との会話が成立しなくなる可能性も

心理学のテクニックを活用していると、そのことばかりが気になってしまい肝心な相手との会話に集中できないケースがよく見られます。

テクニックの実践に思考を奪われたり、相手を観察することばかりで相手からの質問に答えられなくなってしまうと本末転倒ですので、心理学を実践する際は会話に集中できるよう気を引き締めましょう。

ビジネス心理学の法則を活用して自分の武器を増やそう!

今回は、ビジネス心理学の法則や注意点についてご紹介いたしました。
本記事で紹介した12種類の法則以外にもビジネスシーンに応用できるテクニックはたくさんあるので、気になる方は調べてみてください。

ビジネス心理学は、一つひとつマスターし日常的に取り入れることで「業務成績UP」「人間関係の向上」など様々な効果が期待できるものです。

しかし、心理学というのは“そのテクニックで心理効果が出る人が多い”という統計結果に過ぎず、相手によって個人差があるものです。そのため必ずしも効果が出るというものではないことを認識したうえで活用していきましょう。

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